Story

国際開発への情熱は、いつも現地に暮らす人々との思い出の中に

2022年10月31日
yukihiro-kondo

近藤 侑央 / Yukihiro Kondo

アソシエイト・インベストメント・オフィサー/ Associate Investment Officer

ナイロビ事務所勤務

経歴

  • 2021年 ヤング・プロフェッショナル・プログラムを通じてIFC入社
  • 2020年 INSEAD(MBA取得)
  • 2011年 立命館大学経営学部

大学1年生の時に南アジアを旅行した際のことです。空港を出るやいなや、10人以上の若い客引きに囲まれた私のすぐ横で、老人が力無く路上に横たわっているのを目撃しました。観光客相手にボッタクリ料金を取ろうとする若者たち。無視され今にも息絶えそうに横たわる老人。どちらも「貧困」が根本の原因にあることに気づいた初めての瞬間でした。この光景を見た時から、将来は途上国の貧困解決に関わりたいと漠然と考えるようになりました。帰国後は海外留学を目標とし、毎日大学の図書館で英語を中心に勉強をつづけた甲斐もあり、奨学金を受けながらアメリカの大学で1年間の交換留学ができました。その後、留学で身につけた英語力を活かし、中東諸国から東南アジア等をバックパック旅行をし、この間も途上国の貧困の実情を目の当たりにしました。

大学卒業後は事業会社で、海外事業のビジネスプラン策定や財務分析、業績予測を担当しました。この経験は現在、IFCでの途上国投資の実務に役立っています。その後、事業会社で身につけた専門性を国際協力に活かしたいと考え、JICAへ転職しました。JICAでは3年間のパプアニューギニア駐在が一番印象に残っています。現地の人々の生活を知りたいという好奇心から、休みの度に現地の村へ出掛けていました。トイレ、飲料水、電気、ガスなどの必須インフラがない生活で、村人と寝食をともにして話を聞くことは、どんな文献を読むよりも、その国の開発課題を知ることに役立ちました。パプアニューギニアでは、JICA現地事務所と世界銀行が共同で仕事をすることもあり、その時に世銀職員は高い専門性を持ち、政府や民間企業など、様々な関係者を巻き込み、大きなインパクトを創出していることを目の当たりにしました。この時から世界銀行で働くことを意識し始め、パプアニューギニア駐在後は、将来国際機関で働くために必要な修士号を取ろうとビジネススクールに進学し、卒業後はJICAで民間投融資業務に従事しました。その後、他の国際機関で働く兄の強い勧めもあり、IFCのYPPに応募をした結果、運良くオファーを得ました。

 

IFCにご関心のある方々へ

IFC入社後は、ワシントンDC本部の、途上国の金融機関/フィンテック向けの融資を担当する部署を希望しました。金融は産業や経済の発展に欠かせず、生活のすべてに関わるセクターだと考えたからです。ナイジェリアのまだまだ小規模のスタートアップ起業家から、一代で時価総額数兆円もの企業を作った起業家など、情熱と能力とやる気に溢れたクライアントと一緒に働くことができたのは、素晴らしい経験となりました。今後のキャリアですが、YPPのローテーションを利用し、より現場に近い現地事務所で働いてみたいです。ビジネスを通して、どのように人々の生活改善や国の産業育成・発展に貢献できるのか、クライアントと共に現地の空気を吸って考えてこそ、より情熱をもって仕事に取り組むことができると思っているからです。

YPPは狭き門で応募すらためらう方も多いですが、決して不可能な目標ではないと思います。今後応募を検討されている方に、私からのアドバイスは以下です。①自らの情熱と強みをしっかりと把握すること、②それが世銀の仕事にどのように貢献できるかをCV・エッセイ・面接すべてで簡潔に説明できるようにすること、③世銀職員含め、色んな人にアプローチし、情報を集めてフィードバックをもらうことです。チャレンジしても失うものは何もありません、志を共にする仲間が一人でも増えることを祈っています!